先日行ってきた「生命大躍進」
会期は2015.7.7~10.4
夏休み期間中は避け、9月の第2週に行ってきた。
場所は、上野の国立科学博物館。
定価1600円だが、金券ショップで前売券を1400円で入手しておいた。
内容は、生命誕生から各年代で興った進化とそれらに関する標本の展示。
夏休み期間中は避けたが、それでも人は多かった。
意外と年配者が多い。
未来に向けた科学の発展よりも、地球の過去が明らかになることの方が興味が沸く。皆さんもそう考えているのでは。
例えばリニアモーターカーは私の子供の頃からずっと開発中のままであるのに対して、新種の化石が見つかり昔考えられていた恐竜の大きさがどんどん大きくなっている点とか。
生命誕生から、幾つかの大躍進を重ね、大量絶滅を経て、生き残った者が更に進化。
生命誕生は20億年前に遡り、その頃はまだ小さな微生物の様なものだったが、何億年もかけて、生物らしい形のものに進化。
ゲノムなる生物の設計図の元となるものを増やし、色々な働きをする器官を造り出す遺伝子をそこに書き込んで、更に複雑な形体を持つものへと進化して行ったと。
5億年前、4億年前といったレベルの化石(本物)が多数展示。
よくも残っているものである。
思っていたより小さなものが多かったが、本来の大きさなのか、長い年月で石が圧縮されたためなのかは不明。
有名なオパビニアの展示も。・・・(もちろん実物化石も展示)
象の鼻のような物を掴む器官(口ではない)に、5つの目。
カンブリア時代の生物だが、最強の捕食者ではなく、狙われる立場でもあったため、上の2つの目で外敵を探し、下の3つの目で獲物を狙うといった目の使い方だったのかな、とか想像が膨らむ。
カンブリア時代の最強の捕食者と考えられているアノマロカリスの展示も。
wikipediaに載っている写真の実物である。
展示は、ゾーンが大きく4つに分かれており、次のゾーンに移る際に大量絶滅のゲートをくぐる。
オルドビス紀なる世界はこういった世界。
直角貝や海リンゴの世界でしょうかね。もちろん海の中で、動物はまだ陸上に進出していない。
こういった年表があると分かりやすい。
恐竜時代の中生代はまだまだ先である。
カンブリアより後の時代では、海サソリが出現。
人間より大きな巨大な者も居た。
更に上を行く巨大な甲冑魚も。
魚類の出現。背骨の獲得により巨大化出来たと想像できる。
また、エラを支えていた最前列の骨を変化させ顎を獲得したと考えられている。
三葉虫もこの時代である。色々な形状のものが出現したが、どれも発達した目を持っていた様である。
魚類の展示も。ヒレが肉厚の種のものが陸上へ進出する者へ移っていったようである。
シーラカンスやハイギョがこの仲間。
肺を持った両生類の祖先が陸上に進出。
やがて、爬虫類や哺乳類へと進化するが、哺乳類は単弓類なるものを経て進化したと。
頭骨の目の穴の後ろにもう一つの穴。爬虫類はこの穴が2つあると(但し、カメは穴無しと)。
実は恐竜によく似たディメトロドンは、単弓類なので、爬虫類ではなく哺乳類に近い(というのが分かる)
ディメトロドン・・・背中に帆の付いたあの生物です。
2つ目のゲート、ペルム紀末期の大量絶滅。
地球史上最大で、生物全体の9割以上の種が絶滅。恐らくディメトロドンもその中に。
この後が、中生代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀)と恐竜の時代。
但し、三畳紀では単弓類が繁栄していたそうで、ジュラ紀で恐竜と主役が交代。
3つ目のゲート、巨大隕石の落下をきっかけとした大量絶滅。
隕石の落下地点は別として、一瞬にして絶滅した訳ではなさそうで、地球環境が変わり、少しずつ数を減らしていったと思われるが、何年(何百年、何千年、何万年の単位かも)かけて滅んだのかは分からない。
やがて哺乳類の繁栄を向かえ、一斉に種類を増やす。2回大量に種類が増えたときがあり、初めに増えたものの多くが絶滅してしまい、2回目に増えた時の種が今の哺乳類たちだとか。・・・これは興味深い。
やがて人類が出現。それまでの間に幾つかの種が出現したが、どれも滅んで一種類に。
終わりに読んだあとがきが印象に残った。
過去5回大量絶滅があり、それらは10万年以上の時間をかけて多くの生物が消えていく現象だったが、人類の住む現在では短期間に多くの生物の絶滅を引き起こしておりスピードが速いと。
現在、6度目の大量絶滅のただ中にいるという考え方もあるとか。
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